愛情の鎖
コウさん……っ。
「ちっ、どこまでもふざけやがって…、いいからどけよ!!」
翔太が更に私の首筋にナイフをぐっと押し当てた。
その衝撃で私の首にピリッとした衝撃がはしり、思わず顔を「…っ……」と歪めてしまう。
そんな緊迫した張り詰めた空気。状況はさらに悪化し、翔太が私を羽交い締めにしたまま強引に前へ動き出そうとした時だった。
ガツンッ!!
背後で力強い衝撃を感じ、耳元で声にならない声が聞こえた。
直後拘束されていた力が緩み、「いっ…」と苦痛の叫び声がトイレの中に響き渡る。
「そこまでよ!」
背後から聞きなれない声が聞こえた。
それは女性の勇ましい声で、ハッとした私はあわてて後ろに振り返る。
「あら坊っちゃん、随分と威勢がいいようだけど、お子ちゃまがこんな危ないもの振り回しちゃダメよ」
「…えっ……」
見るとそこには見知らぬ顔の美女が…
手には拳銃を持ち、それを翔太のこめかみに当てるとフフッと優雅に笑いかける。
「警察をあんまり甘くみると痛い目に合うわよ」
彼女はそう言うと、素早く翔太からナイフを蹴り上げそのまま翔太の両腕をひねりあげた。