愛情の鎖
コウさんの勝ち誇った言葉に、翔太の口元はただただ悔しそうに歪められた。
その後すぐに手錠を掛けられた翔太は、それから駆けつけてきた西田さんや他の刑事さんに連行され、あっという間にパトカーに乗せられた。
「姐さんこのままですむと思わないでください。宗一郎さんの怒りはこんなもんじゃないっすから」
連れて行かれる直前そう吐き捨てた翔太に再び背筋が凍りそうになった。
私は何も言えず、翔太の姿が見えなくなった瞬間傷心しきったようにその場にヘナヘナと座り込む。
「梨央!」
そんな私を見てすぐさまコウさんが駆け寄り、力強く抱き寄せる。
「大丈夫か?」
「…っ……」
ポロポロと涙が溢れ出た。ガタガタと震えが止まらなくなり、たまらずコウさんにすがりついた私は声にならない声を上げた。
「…こわかっ……」
怖かった…
とにかく怖かった。
まさか翔太がこんなことまでするなんて…、想像以上の出来事にうまく力が入らない。
「晃一、とりあえず彼女の手当てを……」
そう言われハンカチを渡された瞬間、初めて首筋から出血してることに気がついた。
きっと翔太にナイフを押し当てられた時に切れたのだろう。
コウさんは女の刑事さんからそれを受けとると、「ちっ…」と悔しそうに軽く舌打ちをし、そしてそのまま私の傷口に押し当てた。