神聖魔法団【下】



「あ、そうだ。
俺、連絡が来てもしばらくここには行かないことにする。
嫌でも思い出しちゃうから・・・っ。」




「・・・分かった。気を付けて」




「あぁ。それじゃあ」




静かにドアを開け出て行った。





「・・・・・俺、気付いたんだ。

黎奈を失って気付くって遅いかもしれないけど
黎奈が俺にとってかけがえのない存在ってことを―――――」





「失ってから気付くって言うからな。
でも、俺はまだ失ったとは思ってない。
アイツは絶対生きてる。
必ずどこかで生きてる。俺はそう信じる。」




俺に背を向ける涯。



「なぁ、雷。
その想い大事にしろよ?
その想いがいつか誰かを救うことになるかもしれないから・・・」




そう言い残し部屋から出て行った。






我慢していた涙がまた溢れる。




「ッ・・・うっ・・・っ・・れ、な・・・」



情けない。




惨めだ。




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