神聖魔法団【下】



「安心しろ。」



「雷・・・?」




視界が真っ暗だった。




え、俺、雷に抱き締められてる・・・?




「アイツは必ず俺たちが連れて帰る。
お前を1人になんかさせない。
黎奈とまた一緒に暮らせるよう俺たち頑張るから。
また待つのは辛いかもしれない。
だけど待っててくれ。

それと、アイツが死んだのはお前のせいじゃない。
ここにいる誰のせいでもない。
大事な家族を守るのは当たり前のことだろ?
黎奈にとって命より大切だったんだよ。お前は。
だから自分を責めるな。
そんなことしてたら黎奈がまた怒るぞ?

つか、アイツは死んでないから。
さっきからそう言ってるだろ?
信じろ。アイツを信じろ。
俺たちよりも分かってるはずだ、お前の方が。
アイツの強さを。
家族ならアイツを信じなきゃどうする。

信じてくれる人がいるから頑張れるんだぞ?

だから信じてやれ。
分かったな?」





唇を噛み締めた。




泣くな。こらえろ。





“信じてくれる人がいるから頑張れるの”




黎奈の言葉が頭に響く。




黎奈も同じこと言ってたな・・・。




「あ、あぁ・・ッ・・・」



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