神聖魔法団【下】
折角我慢してたものをいとも簡単に壊してしまう。
優しすぎるんだ。
涯の顔が父さんと重なって余計に涙が溢れた。
「俺・・、信じて、待つ・・ッ・・・。
そうだよな。黎奈が、死ぬわけっないよなっ・・。」
そうだよ、アイツの生命力なめちゃいけない。
きっと帰ってくる。
涙を乱暴に拭う。
まだ微かに震えた唇を必死に動かす。
「決めた。俺、もう泣かない。
次泣く時は黎奈に会えた時だ。
会えた時は子供みたいに泣いてやろ」
ペロッと舌をだして悪戯な笑みを零した。
皆の顔が優しい表情だった。
「それでこそ俺が認めた男だ!
かっけぇな!!」
炎虎が腕を首にかけ頭をワシャワシャしてきた。
「い、痛いよ・・・。つか頭セットしたんだから触るな!!」
「照れんなって!」
「照れてねぇわ!」
その場が笑いに包まれる。