ロスト・クロニクル~後編~
シェラへの謁見は、長く行われることはなかった。それはシェラへの負担を第一に考えてというわけではなく、現実を突き付けられ動揺を隠し切れない謁見者の精神面を考えてのこと。
女王の目の前で力強く宣言し、有難いお言葉を頂こうとアルフレッドは考えていた。しかしシェラは精神面を病み、彼が欲していた有難い言葉を放つことはできない。そのことを残念と思うことはなく、それどころか親衛隊はどのような存在なのかアルフレッドは学習する。
シンも同様に親衛隊として自分がやらなければいけないことを学び、母国の明るい未来と自身の成長を誓う。優等生に近い彼等の発言に釣られるようにエイルも発言するが、表情を覆う影は取れない。
謁見時から続く友人の変化にアルフレッドは本当に大丈夫なのか心配してくるが、エイルはアルフレッド達に心配を掛けたくないので彼の返事は先程と変わらないが、何処か弱弱しい。
「疲れていないと言っていたが、疲れているのだろう。彼は日頃、仕事を頑張っているからな」
「俺も……」
「それは、最近の話だろう」
痛い部分を突かれ、アルフレッドは言葉をつむぐ。その横ではシードの意見に納得するシンが何度も頷き、アルフレッドがこれからも真面目に仕事を行えば負担が減ると忠告する。
「お、お前……」
「そうじゃないの。貴方の代わりに、彼が仕事を受け持っている。人の二倍の仕事をしているのだから、疲れるのは当たり前。違うかしら? 本当のことを言ったと思っているけど」
「ま、まあ」
「シン言う通りだ」
「た、隊長」
「シェラ様の前で宣言したのだから、これからは今以上に期待する。破ったら、わかっているな? まあ、お前は馬鹿でも阿呆でもないと信じているから、一度言えば理解するだろう」
「……了解です」
「それならいい」
シードの脅しに近い言葉に負けたアルフレッドは、これを最終警告と受け取る。アルフレッドはラルフと違い学習力があるので、真面目に仕事を行なわなければ何が待っているのか予期でいる。それにシェラの前で宣言した手前、シードから睨まれ続けられるのも得策ではない。