スイーツ男子、佐藤くん
再び海へと戻ると、海の家の前に二人の男女が立っていた。よく目を凝らして見ると、伊織くんと真広先輩だった。
「お!藤山ちゃんにチョコちん!おぉ、けーちゃんと志優もおるやん!」
ハイテンションな真広先輩に反し、隣の伊織くんはなんだか夏休み前よりも、げっそりしている気がする。
「…伊織、どうしたの?」
と佐藤くんが聞いても、伊織くんから返ってくるのは生気の無い返事だった。
「…いやぁ、な。この海の家で使う食材やらを発注しててよ…。」
「お、お疲れ様…。」
伊織くんは力ない声で「おー…。」と返事をした。先輩達は先輩達で盛り上がっているのか、そんな伊織くんを気にしてもいない。
「どうして増子先輩と?伊織、電車で来るって言ってなかったっけ?」
「…駅へ行く途中で増子先輩と会ってな…実は増子先輩、あぁ見えて方向音痴なんだよ…駅と逆の方向向かってたから、危なっかしくてよぉ…。」
そこまで言って伊織くんはバッと顔を上げた。
「…でも、増子先輩と一緒だったし…まぁ、楽しくない訳ではなかったな!」
少し大きな声で伊織くんは言った。その瞬間、気のせいだったかもしれないけれど、真広先輩がこっちを見て笑った気がする。
もしかして、先輩気づいてるのかな。
「お!藤山ちゃんにチョコちん!おぉ、けーちゃんと志優もおるやん!」
ハイテンションな真広先輩に反し、隣の伊織くんはなんだか夏休み前よりも、げっそりしている気がする。
「…伊織、どうしたの?」
と佐藤くんが聞いても、伊織くんから返ってくるのは生気の無い返事だった。
「…いやぁ、な。この海の家で使う食材やらを発注しててよ…。」
「お、お疲れ様…。」
伊織くんは力ない声で「おー…。」と返事をした。先輩達は先輩達で盛り上がっているのか、そんな伊織くんを気にしてもいない。
「どうして増子先輩と?伊織、電車で来るって言ってなかったっけ?」
「…駅へ行く途中で増子先輩と会ってな…実は増子先輩、あぁ見えて方向音痴なんだよ…駅と逆の方向向かってたから、危なっかしくてよぉ…。」
そこまで言って伊織くんはバッと顔を上げた。
「…でも、増子先輩と一緒だったし…まぁ、楽しくない訳ではなかったな!」
少し大きな声で伊織くんは言った。その瞬間、気のせいだったかもしれないけれど、真広先輩がこっちを見て笑った気がする。
もしかして、先輩気づいてるのかな。