愛させろよ。
桐谷先輩は、俺に構わず奥に入っていき、一つの棚の前で立ち止まった。

黙ったまま、その扉に掛かっていた看板を指差した。

手のひらくらいの、小さなものだ。

黒い地に、銀のアルファベットが並んでいる。

「C L A R I N E T」

端に黒猫があしらわれていて、なかなか見栄えがいい。

先輩が振り向いた。

「開けてみて」
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