ロシアンルーレットⅣ【クライムサスペンス】
「ただ一つ、はっきりしたのは、悦子を殺したのは初音じゃないってことぐらいだ」

那智が自信満々に断言する。どうかな、と俺は肯定も否定もせず曖昧に返した。


「初音がホシだとすると、不自然な点が多過ぎる。ということは、初音は殺ってないって考えるのが自然だ」

不自然だとか自然だとかで判断できるかよ。殺人事件なんか人が人を殺してんだ、不自然だらけで当然じゃねーの?


「例えば?」

だけどとりあえず、那智の見解を聞いてみることに。


「悦子の死因」

「銃弾を受けたことによる失血死……それが?」

「初音が銃を所持してたとは思えない」

「何だそれ……」

想像でしかないそれに呆れて、無意識的に悪態をついていた。


「てかさ、病院行くんじゃねーの?」

キーは差し込んだものの、一向に車を出す気配のない那智に、痺れを切らして尋ねた。


「侵入経路はここ以外にない」

那智はマンション入り口を目だけで指して言う。まさか……。


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