髪から始まる恋模様【SS集】
「…ねぇ…カリンさん…教えて。
どうして、来てくれなくなったの?
俺に言ってくれたあの言葉は
嘘だったの?」
不安気な表情で
言葉を続けるタイチ君の瞳は
大人びていても
あの頃の可愛らしさが残ってた。
私は俯きがちに口を開いた。
「…だって…タイチ君…。
キスしてたから…。」
「…はっ!?キス!?俺が!?」
彼は目を見開いて驚いた。
「…何の事だよ…キスって。」
思い当たる節がないのか
首を傾げる彼に
「…とぼけないでよ!!
キスしてたじゃない!!
私…見たんだから…。
会社帰りに本店の近くを通った時
お店の中で…アシスタントの
ケイちゃんとか…言う子と
キスしてたじゃない!!」
頭の隅に押し込めたつもりでも
離れなかったあの光景…。
「…私…タイチ君に
シャンプーして貰えると
スッキリして気持ち良くて
何よりも…お喋り出来るのが楽しくて
2ヶ月毎に行くのが楽しみになって
聞いて貰えると、仕事のストレスも
解消されるようで…楽しかったのに。」
私の目から涙が溢れた。