髪から始まる恋模様【SS集】
「…カ…カリンさん!?」
私の涙に戸惑うタイチ君。
でも、溜まっていたあの想いは
止まらなかった。
「…私だって…タイチ君が
スタイリストデビューするのが
待ち遠しくて仕方なかったよ。
タイチ君にカットして欲しくて
もっと私の髪に触れて欲しくて。」
「…カリンさん。」
「…タイチ君にとって
私とのお喋りは
仕事の一貫だってわかっていたけど
もっと話がしたいと思ってた。
タイチ君の笑顔に癒されたかった。
…なのに…お店でキスしてたから。
私…私…。」
すると
「…それは誤解だよ!!」
タイチ君が私の両肩に手を置くと
「…あれは…違うから…。」
と、思い出したらしい彼は
真剣な眼差しで
私の目から溢れる涙を拭ってくれた。
「…キスしたんじゃなくて
無理やりされたんだよ!!
アイツから好意をもたれてて
何度も断ってたのに
あの日…2人になったのを狙って
無理やりしてきたんだよ。
…すぐに突き離したけど
まさか、見られてたなんて…。」
そう言って彼は苦笑いした。