年下オトコたちの誘惑【完】
「杏ちゃんにも、料理作ってもらうかもしれへんから頭に入れといてな」
「うん…って、わたし⁉︎」

いやいやいや、わたしの低レベルの料理出せるわけないじゃん‼︎

なに言っちゃってんだか。わたしは眞一郎と運び屋やりますぅ‼︎

って、なんか危ないモノ運ぶみたいじゃんね。

「まぁ、気分次第やな。それまではヒマやから、好きにしとき」

好きに、って…。なにしてたらいいの、こういう時…。

とりあえず、ゆっくり見れなかったから、見てみようかな。

楓から離れ、軽く周りを見ると、なにやら奥に部屋がある。

ドアはなくて、天井がアーチ状になっている。

「ねぇ、碧都?あっち行ってみてもいい?」

まだ碧都と尚樹は一緒にいて、話をしていたようだったけれど勝手に行って怒られるのも嫌だから、碧都に話しかけた。

「あ?あぁ、いいぞ。来いよ」

え、わたし一人で行けるんだけど…。

そう思ったけど、もう碧都はスタスタ一人で行っちゃってて…。

仕方ないから碧都に案内してもらおうと、あとを追った。

「わっ‼︎」

入ってみて驚く。真ん中に、デデン‼︎とビリヤード台があったから。

「常連客とかは、みんな知ってっから、ここで遊んだりすんの」

そう言うと碧都は、壁側にあるダーツボードに向かって、ポーズをとるとヒュン‼︎と投げた。
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