年下オトコたちの誘惑【完】
ダーツの矢は、ストン‼︎と、ほぼど真ん中に刺さった。

カッコイイ……。ポォ、っと音が出てもおかしくないくらい、碧都を見つめていた。

「惚れたか?」

そんな碧都は、わたしが見惚れてるのに気付いてたのか、わたしのほうに顔だけ向けると、ニッと笑った。

「なぁに言っちゃってんのよ」

自分が可愛げないって、分かってる。でも、これがわたしなんだもん。仕方ない。

「素直じゃねぇの。顔真っ赤だぞ?」
「そんなわけないじゃない、きのせいだから」

そんな風に言ってみたけど実際は、ドッキドキしてる。

だってあんな涼しい顔して、ど真ん中決めちゃうんだよ⁉︎

カッコイイって思わないほうがおかしいし‼︎

「杏も投げてみるか?」
「えっ?わたし?ムリムリ‼︎やったことないし‼︎」

顔の前で両手を振り必死に断った。

「最初っから、できるわけねぇだろ?この俺が教えてやるから、やってみろって」
「ちょ、」
「なんだよ」

なんだよ、って‼︎密着しすぎでしょうよ‼︎

碧都は、わたしの右手を取るとダーツを持たせた。

「自分が持ちやすい形でいいから、持ってみ?」

そんなこと言われても…。持ちやすい形って…。全然わかんないよ‼︎
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