年下オトコたちの誘惑【完】
「んっ…‼︎」

ただのキスだけならまだしも、碧都が飲んだミルクが、さらに甘さを増してわたしの喉に通る。

ゆっくり、少しずつ入ってくるミルクは、ちょうどいい適温になってて。

自分でも分かるくらい、身体の力が抜けていった。

「ほら、これで全部飲んだ。文句ないだろ?」

アッサリ言う碧都は、なんとも思ってないんだろうか。

こんなこと平気で、できちゃうんだもんね。

今までに何人の人と、

「痛いっ‼︎」
「今度は、なんだよ」
「なにがよ⁉︎」
「泣きそうな顔しやがって。なに想像した?言えよ」

妄想中に、パチン‼︎とデコピンをされた。手加減してくれたっていいのに、碧都のデコピンは、かなり痛くて。

泣きそうな顔になってたのは、そっちの痛さだと思わないのかね。

「なにも想像なんかしてない。碧都がデコピンするから‼︎」
「あ?」

ひっ…‼︎めっさ、めっさ怖い‼︎なに、この睨み‼︎殺される…。

「か、帰るっ」

今日はダメだっ。このままじゃ、碧都に殺されちゃう‼︎

スタッ‼︎と素早く立つと、走って玄関先にダッシュした。

「おい、こら‼︎勝手に帰んな‼︎」
「やだっ‼︎離して‼︎まだ死にたくないー‼︎」
「はぁ?なに言ってんだよ。コッチだって、ここでお前に死なれたら困るわ」
「や、やだっ‼︎じゃぁ山で、わたしを殺す気でしょ⁉︎」

コントなのか、なんなのか。碧都と喋ってると、いつもこう。
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