年下オトコたちの誘惑【完】
「こんなさぁ、全部ボタンの服着てきちゃって、杏も結構その気だったんじゃねぇの?」
「っんなわけないでしょうが‼︎」
「そうかなぁ?オトコなら、勘違いすんぞ。こんな脱がしてください、みたいな服着てっとさ」

そんなの知ったこっちゃないわよ‼︎脱がしてほしいから、この服にしよう‼︎なんてオンナ聞いたことないわ。

少なくとも、わたしはしないし。脱ぎづらくたって、ヤル時は脱ぐんだから。

「ね、碧都っ。もう、やめて…?お願いだから…」
「どうしよっかなぁ?」
「碧都のこと、キライになるわよ。このまま続けるなら」

すると、碧都の手がピタッ‼︎と止まった。なんだ、最初からこうすれば良かったんだ。

「それは、ヤダ」
「うん。今やめてくれるなら、キライにならない。だから、やめて?」

パッ‼︎と、離された手。ストン、と落ちるわたしの腕。

しばし見つめ合うわたしたち。その目を最初に逸らしたのは、碧都。

そしてそのまま何も言わずに、出て行った。

「って、わたしどうすりゃいいのよ‼︎一人にされたら、それはそれで困るっつーの‼︎」

碧都に向けてドア越しに叫ぶと、またガチャリと開いたドア。

「一緒に入りたくなったか」
「なってないー‼︎」
「あっそ。ホラ、バスタオル。それと着替えないから、バスローブでも着とけ」

バフッ‼︎と、わたしの顔に押し付けると、バタン‼︎と、ドアが閉まった。
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