年下オトコたちの誘惑【完】
「はぁ…。ムダにドキドキしたわ」

外されたボタンに手を当てる。

「碧都が、ボタン…」

そこまで言って急に、恥ずかしくなる。あの真剣な目、色っぽい顔。すべてが、わたしをドキドキさせた。

「あー、とっとと入って温まろ」

素早く全部脱ぎ捨て、浴室に入る。

「あー、そうだ。忘れてた…」

ここの家、なにもかもすごかったんだった…。

マンションだから、そこまで広くはないものの、マンションにしたら驚くほど広い。

オトナ三人は、余裕で入れちゃうかも。身体を洗う場所も、ムダに広くて。

とりあえず、身体を洗って髪を洗う。

「これ、使っていいのかなぁ?」

多分碧都のシャンプーとリンス。でも使わなきゃ洗えないしね。

「ちょっと借ります」

一言つぶやき、髪を洗ったあと。チャプン、とお湯の中に浸かった。

「わたし、ここでなにやってんだろ…」

碧都の家に来て、お風呂まで入っちゃって。キスまでして…。

あまり考えてると、のぼせそうになりそうで数分で上がることにした。

碧都は……いた。ソファーに座って、雑誌らしき本を読んでいた。

その横顔も…

「上がったんだ」
「う、うん…」

横顔を見てる時、碧都がこちらに気付いて目が合った。
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