年下オトコたちの誘惑【完】
シーツの擦れる音が近くで聞こえて。そのすぐ後に、碧都の腕がわたしの身体に巻きつく。

「俺とおんなじ匂い…」
「あっ、シャンプー勝手に、」
「別にイイ。つか、お前。髪乾かさなかったろ」

はっ‼︎忘れてた‼︎あまりに眠くて、ドライヤーの場所も聞けなかったんだった‼︎

「ご、ごめん…。シーツ濡れちゃった、よね?」
「別に、そこは気にしねぇよ。どうせ、なにかしたら濡れんだろ?」

なにかしたら…そうだね。なにかしたら、そうなるね。

ここでも、何人の人とそういうことをしたんだろうな。

「また、なんか変なこと考えてんだろ」
「べ、別に考えてなんかないわよ‼︎」
「俺がココで、どんだけオンナ抱いたか気になんの?」

わたしがそう思うって思うなら、最初から変なこと言わないでよ‼︎

「言っとくけど。このマンションには、杏が初めてだから」
「え、は?」

あまりに驚いて、顔だけ碧都のほうに向けた。でもそれを、やんわりと戻された。

「だから、ココにオンナは入れたことない。心配すんな」

べ、別に心配なんかしてないし‼︎心の声はそう言うけども、実際根っこの部分では少しだけ嬉しくて…。

「なぁ、杏」
「え、うん?」

少しだけニヤついてると、碧都のマジメな声が後ろで聞こえた。
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