愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】

「千尋、うちらにちゃんと話してくれないかな?」

ただ知ってるのは華奈だけ。

さゆりと、奈美にも本当の事を言うべきなんだろうか。


ちゃんと?何をはなすって?

同情してくれるとも?

私は、そんな事望んでいない。

誰も、助けてくれなかったじゃない。


何も解決してないじゃない。


そんな慰めかた、私をからかっているんでしょ?


「未練たらたらだなお前。もう良いんじゃないか、自分に正直になって。」


その声に気付いた私は振り返った。

あなたは…田中君。


< 129 / 326 >

この作品をシェア

pagetop