ギャップ彼女 2
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バイトを終え急いで出れば、裏口には悠斗が立っていた。




『お待たせ』

「あぁ。帰るか」

『うん。』



自転車で10分のとこを30分位かけて歩く。
しかも自転車は、悠斗が押してくれる。
ふたりきりのこの時間は、とても心地よい。




なかなか学校ではないもんね?



「リン、明日(土曜日)バイト休みだよな?」

『うん』

「どこか出かけよう。」

『うん!』



悠斗とふたりきりで出かけるのは初めての事。
嬉しくて頬が緩んだ。




「どこか行きたいとこあるか?」

『噴水公園』




悠斗の問いかけに対し、思わずこんな言葉を口にしていた私。自分でもなんで噴水公園がいいなんて言ったのかは全く分からない。



子供でもないし、子供がいるわけでもない。
でも、悠斗とふたりきりになるなら、噴水公園がいいって思ったんだ。



しかし、私の答えが予想外だったのか悠斗はポカンとしている。そんな彼を見て思い直す事にした。



……やっぱり、変だよね?



『…あ、やっぱ「するか公園デート」



"やっぱり別の所にしよう"という私の言葉は、悠斗の言葉によって遮られた。



…いいの?



悠斗の顔を見つめれば、柔らかい笑みを返された。




『うん!お弁当作ってくるね?』

「あぁ」




自分でも何で噴水公園に行きたいなんて言い出したのかはさっぱり分からない。




それでも、私は悠斗とゆっくり過ごせる時間が楽しみで仕方が無かった。
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