忠犬ハツ恋
檜山君は私の隣の席に座りコーヒーを飲んでいる私をまじまじと見た。

「あんまり…見ないでよ。」

そう頼んでいるのに檜山君は肘をついた姿勢で私を眺め続ける。

「しばらく会わないウチに……、
白石もメイド服を抵抗無く着れるようになったわけだ。」

「わっっ!!!
こ、これには、深〜い訳が!!!」

最初は死ぬ程恥ずかしかったのに今日一日中この姿だったせいかすっかり制服と化していた。
檜山君に言われて改めて恥ずかしさがこみ上げて来る。

自分の体を両手で覆っても間に合わない事に気づいた私はとっさにその手で檜山君の目を覆った。
檜山君は私のその両手首を掴んで引き寄せる。

「久し振りなんだからもっとよく見せろよ。」

檜山君は私の顔を覗き込むように顔を寄せて来る。
キスの予感に眼を閉じかけた時、檜山君と私の間に割って入る人の気配を感じた。

それは可愛い2歳児。

「凛ちゃん!」

凛太郎君は私と檜山君の間に入り私達を引き離そうとしている。

「凛?
誰?このチビ?」

檜山君は眉間に皺を寄せた。

「めっっ!め〜っっ!!!」

凛太郎君は檜山君を敵視していた。
そんな凛太郎君を抱き上げる。

「もしかして檜山君、初対面?
ほ〜ら、凛ちゃん。圭太おじちゃんだよ!」
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