HOLISM


おかしな人だと思う。


クラスで浮いている私に毎朝かかさず挨拶をしてみたかと思えば、急に猫の素晴らしさを伝えたい、だなんて。


頭のいい人はやっぱりネジがどこか緩んでいるのだと思う。



「まあ、高貴な猫が甘えるところがみたいなってくらいの下心があったのは認める」


思わず冷たい視線を送る。
彼は場違いなくらい綺麗に笑い返してきた。


「期待はずれですみません」


「だから、いいんだって。言っただろ?最初から懐かれても燃えないって。そういった意味でアカネは最高だ」



悪戯の成功した悪戯っ子のように、スイーツを前にした女の子のように、とにかく楽しそうに舞川くんは笑った。


「可愛いなあ」

冗談混じりにそう言って、舞川くんは私の頭を撫でてきた。
その優しい手つきが、いつしかの思い出と被った。


思わず目をぎゅっと、瞑ってしまった。




舞川くんは私といて、楽しいようだった。
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