HOLISM
「どう?猫の素晴らしさは伝わった?」
帰宅するためにゆったりと駅の方へ歩いていると、舞川くんが話しかけてきた。
駅前のネオンが眩しくて少し目を細めた瞬間だった。
「十分なくらい伝わった」
「猫派になったでしょ?」
同調を求める女の子のような言い草だった。
舞川くんは外見以外にも女の子らしいところが多いと、今日、放課後を一緒に過ごしていてふと思った。
可愛いという言葉をよく使うし、猫が好きだし、チョコレートも好きなようだった。
「前は断固として犬派だと言えたけど、今はかなり揺れてる」
認めざるを得なかった。
あんなに好きだと言っていた犬たちを裏切るようで、猫派になったとは言えなかった。
我ながら浅はかだと思う。