【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん
「失礼しやす。」
「入りー。」
奥野さんがお茶を持って入ってきた。
「ケーキのあとで豚まんは入らへんかな。」
私の緊張を感じたようで優しい顔で話しかけてくれた。
「余裕です。」
「あはは そうか。ほな食べなはれ。」
「はい。」
元気に返事をし豚まんを手にしたけれど涙が零れた。
八重さんや奥野さんの優しい心使いに緊張した気持ちが緩んだのかもしれない。
「結衣姐さん。」
「悔しいです。藤堂を悪く言う自分が悔しいです。隼を貶す自分が悲しくて仕方ない。」
ポロポロと零れ落ちた。
「もう少しや、うちの為にほんま堪忍な。」
「いえ、こんなにいい組の中にあんな希薄な人が入りこんでいたのかと思うとそれが悔しい。そんな人の為に藤堂を貶す自分が仁義を外れている気がして胸が痛い。」
涙を止めようと豚まんを口に頬張るけど涙はポロポロと零れ続けた。