【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん
響さんは一度由香里さんに目をやるとひとつ頷き玄関を出た。
隼もまた優しく微笑むと警察の人たちと一緒に玄関を出て行った。
私も玄関から出ようとしたら植木さんに止められた。
「結衣さん。今日はここで。」
私は「はい。」と返事をした。
でもその瞬間涙がいくつも零れ落ちた。
その涙を隠すように
「さぁ、鬼のいぬ間に命の洗濯洗濯~。ねっママ。」
「そうね。またガールズトークしようか。」
由香里さんと2人手を繋いで部屋の方へ歩いて行った。
由香里さんの手が震えているのか、
私の手が震えているのか
それはもうわからなかったけれど、
一番気持ちのわかりあえるもの同士だったと思う。
ううん。由香里さんは自分の夫と息子だ。
もっともっと不安だと思う。
だけど、由香里さんも藤堂組は仁義を貫くというのはわかりきっているから
不安を口に出さない。
これが極道の世界だ。