やっぱり、無理。




それから、その週末。




私は約2ヶ月ぶりに、自宅へ戻った。



それ以来、朝霧さん・・・礼ちゃんと呼ぶようになって・・・礼ちゃんとはとても親しくなった。


メールでやり取りをするようになって、タミちゃんのところへ泊りに来る時は、一緒に家でご飯を食べるようになったりと。


今まで胸の中でもやもやと抱えていた気持ちが、一気に解放されたような気持ちだった。




そして、ママにも。



メールに返信をしないでごめんなさいと謝ると、ママもホッとした顔をしてくれて、ジローにお礼を言っていた。


だけど、薫さんだけは、すねていて。





「まりあっ、ジローちゃんより、パパの方が好きだよなぁっ!!なっ!?なっ!?」




と・・・鬱陶しい程付きまとわれ。


うんざりした私が、仕方がなくうん、と言うと。




「あぁっ!?何だとっ!?まりあっ!!お前、いい度胸してるじゃねぇかっ!?」




と、ジローに凄まれるハメに。



タミちゃんや礼ちゃんはそんな私を見て安心したような、嬉しそうな顔をしてくれて。









礼ちゃんと海で話をした時、最後に――



礼ちゃんに、何で血もつながっていないのにタミちゃんばかりか礼ちゃんまで私の事をこんなに心配してくれるのかと、尋ねたら。


礼ちゃんは若い頃、タミちゃんの子供を身ごもったのだが、おなかの中で亡くなってしまったんだそうだ。


もう、性別も分かるくらい成長していて・・・女の子だったそうだ。


だから、私の事を勝手だけど、自分たちの子供の様に思うところがある、と。





本当に・・・周りの事に惑わされないで本質を見てみると。




私は、とても愛されてきたんだ・・・。








それが、事実で、全てだったのだ―――










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