未来からの贈り物
莉奈「近藤莉奈と申します。以後、お見知りおきを……」三つ指を付いて丁寧にご挨拶。
慶喜は目を見開いて驚いている
孝明天皇「そなたが天女……。誠に美しい………。おもてをあげよ」
莉奈「いえ……」
孝明天皇「良く顔が見たい……おもてをあげよ」
莉奈「……………………………。」
孝明天皇「おもてをあげよ」
莉奈は背筋を伸ばして視線を落とす。
慶喜「ほぅ………礼儀を知っていたか」
時代劇のお芝居で、目上の人への謁見は三度おもてをあげよと言われるまでは頭を上げてはならないことを学んだのだ。
こんなところで役に立った……
孝明天皇「美しい…………」
莉奈「ありがとうございます。早速ですが……此れを見て頂き存じます」
莉奈はデジカメの動画を天皇と慶喜に見せた
莉奈「下関戦での日本の現状です。
意見出来る立場ではございませんが……攘夷自体、危険にございます。 連合軍は日本が纏まっても勝てる相手では御座いませぬ。 今までは鎖国は日本を守る為でしたが……連合軍が強過ぎる故…鎖国を続けると……乗っ取られます。
早々に連合軍に加盟しないと……また攻撃されます。開国が日本を守る事になるので御座います」
莉奈は頭を下げ、懇願する。
孝明天皇「儂に意見するのか」
莉奈「首を跳ねますか……?」
孝明天皇「……………………………。」
莉奈「ならば……痛まないよう、一突きでお願いします」
孝明天皇「くだらん話をしてないで先を続けよ」
莉奈「日本国は島国で御座います。何時何処から襲われてもおかしくないのです。この先、大きな戦があります。それを回避し、開国に伴い、同盟を組み、尊皇を重視し、貿易や語学留学を勧めるべきで御座います」
孝明天皇「ならぬっっっ!!!日本国をのっとられるっっっ!!!」
莉奈「攘夷を貫けばあなたの命も危ないのです。 日本国の顔のあなたの首を取られ、日本国を乗っ取られたら……良き日本の文化も無くなり、天皇制も廃止、幕府も無くなり、アメリカが日本を牛耳る事となるでしょう」
慶喜「っっっ!!!」
孝明天皇「っっっ!!!」
莉奈「この先、150年後まで開国をし、日本が乗っ取られることはありません。
日本国が連合軍を裏切らない限りは…日本国は強くなり続けます」
孝明天皇「信用ならぬ」
莉奈は現代の町並みや人を見せた