潮にのってきた彼女
穴といい天井といい、この洞くつは人為的に作られたとしか思えない。
誰がこんな空間を。

と、疑問が浮かびはしたが、さておくことにした。


「アクア」

「ん?」

「話、協力して欲しいこと、の内容とか聞いてないし……」

「あ、そうだった」


うっとりした表情を浮かべていたアクアは、目を大きく開いた。


「話さなきゃ、ね。しょうご、洞くつの外出て。わたしは、こっちから」


言って、アクアは洞くつの地面に開いた穴に飛び込んだ。
水の音が洞くつ内に反響する。

覗いて見ると、なんとその穴は海と繋がっているらしかった。


「すごい……便利だなあ」


にっこりと笑ってアクアが海水に身を沈めるのを見届けてから、もう一度天井を一瞥し、俺は洞くつの外へ出た。
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