シンデレラを捕まえて
「あんなもの見て、冷静でいられると思ってる? 今栗原さんがここにいたら、一回くらい殴ってるよ、俺」

「ご、ごめん、なさい……」

「美羽さんを責めてるわけじゃない。だけど、頭がイカレそうなくらい、嫉妬もしちゃうんだ。だから、今は俺を安心させて」

「ひゃ……ぁ! ……ん、ぅんっ……」


下着の上から、乳房の頂に歯が立てられる。躰の芯まで甘い痺れが走って、声を洩らした。
弓なりにしなった背中に手がするりと入り込み、あっさりとホックを外す。剝き出しになった肌はすぐに穂波くんの大きな手に包まれた。


「俺だけにそんな声聞かせて。俺だけにそんな顔見せて」


言われなくても、そうだよ。穂波くんだけだよ。

そう言いたいのに、絶え間ない愛撫は私を満足に喋らせてくれなくて、嬌声ばかりが溢れた。
嬉しいと、思ってしまう自分がいる。
嫉妬させたことは、不安にさせたことはすごく悪いと思う。でも、こうして感情をぶつけられることは、嬉しい。私の為に感情を揺らしてくれるのが、愛おしい。
そんな思いが、見抜かれてしまったらしい。穂波くんがくすりと笑った。


「美羽さん、喜んでるでしょう」

「ふ、ふえ?」

「そんなことで気持ちを確認しなくても、俺の心には美羽さんしかいないよ」

「……う、ん」


腕の中で微笑んだ。


「ね、ベッド行こ? ここじゃ美羽さんの体が痛くなっちゃう」


ラグを敷いただけのフローリングは少しだけ背中が痛い。
言うなり、穂波くんは私を抱え上げてベッドに運んだ。

それから、私と穂波くんは長い時間をかけて、体を重ねた。
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