MOONLIGHT



「15年前にユマと出会って、私のインスピレーションに火がついたの。もう、ユマを想うと、どんどんデザインが浮かんでくるの。今もそれはかわらない。」


NYで初めて会ったベリー・Bは、女傑という言葉がぴったりの、魅力的な女性だった。

何故か、NYから帰った後も、典幸経由でスーツやコート、プライベートな服まで頻繁に送ってくるようになった。

だけど、それは。

今までのベリー・Bの雰囲気ではなくて。

クールで、微かにセクシーという感じのものだ。


私と夕真さんがベリー・Bのドレスに着替えると、ベリー・Bは満足気に微笑んだ。

夕真さんのドレスは、深紅のミニのシルクドレス。

背中が空いていて、綺麗な背骨のラインが見える。
光沢のある細かいリボンと
ファーのストールがゴージャス。

女らしくて、大人の可愛いさを演出している。


一方私のは。

タイトな黒のシルクドレス。

素材は夕真さんと同じもので、リボンはないが、同じ種類のファーのストール。
私が黒で夕真さんが赤色だ。

アクセサリーは同じデザイン。

私はシルバーで、夕真さんがゴールド。


「わぁ、レイちゃん。すごく似合う!さすがべべ!」


確かに。

自分で言うのも何だけど。

凄く、似合っていると思う。


「どう?レイ?」


ベリー・Bが私にたずねた。


「…凄く、好き。」


思わず、気持ちのまま言葉が出てしまった。


「よかった!実は、年が明けたら、ベリー・B・クールっていう、コンセプトを新しく展開しようと思ってるの。レイ、あなたに出会って、私のインスピレーションに火がついたの。15年ぶりに。この責任は、重いわよ!」


凄い迫力で、ベリー・Bが迫ってきた。


「せ、責任って…。」

「レイちゃんが、ベリー・B・クールのイメージモデルなの!」


夕真さんが嬉しそうに、叫んだ。


「ええっ!」

「将には了解もらってる。それから、モデルの基礎はあるけど、レイは今別の仕事をしていて多忙なのはわかっている。なるべく負担をかけないようにするから。私のプロポーズを受けてくれない?ベリー・B・クールは数も少ないわ、だから、基本レイが公の場で私の服を着てくれればいいの。お願い!」


ベリー・Bが、顔の前で手を合わせ、私に訴えた。




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