MOONLIGHT



とんでもない、芝崎の爆弾発言を受けて、将と私以外の人の大爆笑を下唇を噛んで、受け止めている中。

突然、悲鳴が上がった。

わりと近くだ。

驚いてそちらへ目を向けると。


水沢リカのノースリーブの腕から大量の血が出ていた。

近くには脇役で出ていた、女優さんがナイフを手にしている。

はっ、とした瞬間に青山さんが素早い動きで女優さんを床にうつ伏せにさせ、取り押さえた。

腕をねじり上げている。

青山さんが武道をやっていて凄く強いという芝崎の言葉を思い出した。

確かに、俊敏で的確、無駄な動きがない。

かなりの腕だろう。


何て、考えている場合じゃない。

慌てて、水沢さんのもとへ走った。

ペタリ、と床に座り込んでる。

腕からは、どくどくと大量の血。



「先生!とりあえず横にさせますか?」


4人が私に続き駈けつけた。


「そうね、ゆっくりと。すみません、出血が多いので、救急車を呼んでください!」


お店の人に、頼む。


それと同時に青山さんが、警察もお願いしますと声を上げた。


横になった水沢さんの腕を見ると、結構深い。

静脈が傷ついているらしい。

凄い出血だ。


「とりあえず、止血だ!」


伴君が自分のネクタイをはずし、的確な場所で、止血し出した。

国井さんが傷口にお店の人に貰った新品のタオルを幹部にぎゅっと当てて、固定している。

エバラがそばにやってきて、オロオロと刺した女優と、水沢さんの間を行ったり来たりしている。


「水沢さん、止血したから。救急車も来るし、大丈夫だから。」


安心させるように、髪を撫で声をかける。

水沢さんが、頷いた。

ホッとしたのもつかの間。


また、悲鳴が上がった。

誰かが倒れたらしい。

まったく。

水沢さんを見ると不安な顔。


「将っ!!」


将を呼んで、水沢さんについているように言った。

相手役をやったくらいだ。

キスシーンもあったし。

そこらの奴よりは少しは安心感があるだろう。


ここは、伴君と国井さんに頼んで、人が倒れた方に向かう。

湯浅君と友田君が後に続いてくれた。


駈けつけると、エバラが喫煙場所で話していたフランス人の奥さんらしき人。

話を聞くと、水沢さんが刺されたのを目撃し凄くショックを受け、暫くして胸をおさえて倒れたということだ。


動かない。

マズイな…。





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