MOONLIGHT
この人は、どうしていつもこんなキツイいい方しかできないんだろう。
もう少し、オサムにまかせればいいのに…。
オサムを見ると、顔を歪めている…。
だけど、戸田はマイペースで。
「あー、部外者ねー。紹介がおそくなっちゃったなー。私は青山流師範会会長で、そこそこの権限をもたされてるんだけどー。やっぱり、ほら、青山流って、自慢じゃないけどデカイでしょ?師範会の会員でも東京近辺だけで5000人はいるのよ。まぁ、そうなると金額も結構のすでしょー?だから、一応立ちあってもらおうと思ってさー。こちら青山流、青山菊弥さん…次期家元で巷では天才って言われてるホープ。去年、沖縄万博で、『華と踊りの共演』の舞台監督して、総理大臣賞受賞した人ー。」
ええっ、青山さんってそんなにすごい人だったんだ…。
そう言えば、沖縄万博去年開催してたよなー。
と、思っていたら急に事務長の態度が、好意的なものに変わった。
「それから、そのお隣の人、森村さんっていうんだけどー。ダイアモンド・ティアラの副社長で、青山先生の仕事上のパートナーでもある人。あー、2人は親戚でもあるなー。で、青山流が健康診断うけるなら、ダイアモンド・ティアラも考えるって言いだして。話をききたいらしいしー。あー、そう言えば2人とも、グランドヒロセの役員だったよねー?青山先生が、専務で、森村さんが常務だったよねー?」
次々と出てくる、大企業の名前…。
オサムも事務長も咽をゴクリといわせた。
「それから、私の父の妹……叔母が、井上花苑の社長夫人で、森村の妻がその娘ですから、井上花苑の方からも話を聞いてきてくれとたのまれているんです。」
もう、事務局長目が輝いているし…。
だけど、この話、立場的には本当なんだろうけど…絶対に、健康診断なんて頼むはずない。
だって、私が中川と関係が途切れたら、典幸だって中川クリニックに健康診断なんて頼まないだろうし。
そもそも、こんな大企業が健康診断を定期的にやってないはずはないし、懇意にしている病院や、営業的に懇意にすべき病院があるはずだし。
この人たちは、そんなことも考えないんだよね…。
世間知らずっていうか…。
もう、有頂天だし。
「で、そちらの方は?…あら!瀬野将さん!!」
あ、事務長のテンションが上がった。