MOONLIGHT
「…兄弟?…だって、葉山さん、一人っ子じゃ…。」
爆笑している3人も気にせず、典幸に瀬野将が問う。
「ああ、俺の母親は俺を産むときに、亡くなって親父はそのあと結婚しなかったから、表向きは一人っ子になってるけど…俺が3歳くらいから、美景さん…レイの母親だけど、その人と暮らしてたから。で、その6年後にレイが生まれて。」
驚いている、瀬野将。
驚愕の表情まで、いい男なんて、なんかずるい。
「法律上は、あかの他人だし。」
ベラベラ余計な事を喋る、典幸にピシャリといい放つ。
「それはっ…親父が何度もプロポーズしても、美景さんが、断ったから…。レイの認知だけでも、って言っても、首を縦にふらなくて。どうしても、っていうなら、別れるって、言いはって…親父もそれ言われたら、どうしようもなくて。でも、美景さんが亡くなって、後悔してる。レイを1人にしてしまったって。」
典幸が辛そうな顔で、私に訴える。
「何を今更、あのじじ…「イヤー、事情はわかんないけどー、レイちゃんのお袋さんって、意地っ張り加減、レイちゃんそっくりだなー。」
いつの間にか爆笑も治まり、ちゃっかり私達の話を聞いていた3人。
戸田が、私をじっと見つめてそう言った。
「そうそう、『戸田さんのマンションなんか、世話にならない!青山さんに言われた通り瀬野将の家に住むなんてどうかしてた!誰にも頼らない!』って、意地張って…で、結局バカな男に頼られまくって、騙されて…。」
瀬野将が言葉を続けた。
全くその通りで、言い返すことも出来なくて、口が尖る。
「全く、レイの意地っ張りは、半端ないからな…。」
典幸が深いため息をつく。
「え、半端ないって…。今までにどんな意地張ってきたんだ?」
戸田、ワクワク顔で聞くの止めようよ。
う…北村さんまでワクワク顔…。