シークレットLOVE
「月岡ひかるさんですか?」
足音と共に、ひかるに近づいてきた女の人が呼びかける。
「あ、はい。そうですけど…」
「私は、理事長の秘書の佐藤と申します。理事長がお呼びですので、来ていただけますか?」
「はい。分かりました…」
ひかるは秘書のあとに続いて校舎に入って行った。
しばらくして、“理事長室”と書かれたプレートがある部屋の前で秘書が立ち止まる。
「失礼します。月岡ひかるさんをお連れいたしました」
「…どうぞ」
秘書がノックをして呼びかけると、中から男の人の声がした。
「失礼します…」
ひかるが理事長室に入ると、四十代くらいの男の人が椅子に座っていた。