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しばらくそうやって抱き締められたまま、じっとしていた。

こんな風に抱き締められるなんて慣れていなくて、くすぐったい。

こうしていると、和馬の体の大きさを感じる。

子どもの頃とは全然違うんだ。

「これからハルは、僕にたくさん甘えて」

「え?」

ちょっとした不意打ちだった。

「わかった?」

「でも……」

「『でも』じゃないよ。甘えるのが苦手なのは知ってるけどね。それとも嫌なの?」

「嫌って言うか……」

私は思っていることを言ってみることにした。

「一度甘えちゃったら、甘えられなくなった時にすごく辛くなるから……」

「不安?」

「うん」

「だから僕から離れていこうとしたの?」

和馬の声が少し怒っているように感じて、もう一度見上げた。
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