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「そしたらさ、言いたいことは遠慮しないですぐ言うことにしよう?僕も言うから」

「うーん……」

あんまり乗り気じゃない?

「例えば今日だったら、僕がダメって言ったことで思い通りにならなかったから不満になったわけでしょ?そしたら、ダメって言われて不満ってことを伝えてくれればいいんだよ?」

「不満だって言っても、ダメなものはダメなんでしょ?」

「どうしてダメなのか、納得するまで僕は説明するから。もしかして、いろいろ話してみたら僕の方が納得して、ダメじゃなくなるかもしれないよ。話し合うことが大事だと思うんだ」

「うん……」

ハルは僕をじっと見て考えているようだった。

「それに、僕が束縛しているって感じたら言ってね」

「そんな風に思ってないよ?」

「それでもね。ハルは僕に嫌われることを怖がっているけど、僕だってハルが離れていくことが怖いんだよ」

「……うん、わかった。言うように努力する。……ずっと和馬と一緒にいたいから」

「うん、ずっと一緒にいよう?」

わかってくれていて良かった。

ずっと一緒にいたいから、こんな面倒くさくて嫌になる話をしてるってこと。

もしかしたら、すぐに言えるようにはならないかもしれないけれど、少しは前向きな方向に進んだんじゃないだろうか。
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