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しばらく抱き締めてから、少し離してハルを覗き込んだ。

「今度はハルの番だよ」

ハルは少し落ち込んだ顔をした。

「うん」

「まずは、昨日どこに泊まったのかな?」

「ビジネスホテル」

「漫画喫茶には行かなかったんだ」

「うん、……和馬が危ないって言ってたから」

僕が言ったこと、憶えていてくれたんだ。

「今日はどうするつもりだったの?」

「……漫画喫茶に行こうかと」

「ダメじゃない」

「うん、だってお金かかるんだもん」

それはそうかもしれないけれど。

「じゃあ次は、寺嶋のこと」

「……うん」

「キスしたのは本当?」

「……うん」

わかっていたけれど、また背筋がゾワッと粟立った。

抱き抱える腕に、つい力が入る。

「僕たちのこと、もう付き合ってないって言ったの?」

「違う違う、そうじゃないの」

「じゃあ、なんだったの?」

「私が駅のロッカーに荷物を入れてたら『どうしたの』って聞かれて、それで、ちょっと家を出ちゃったからって話をしたら『別れたんですね?』って言われたんだけど、何て答えたらいいのかわからなくて。そしたら、寺嶋君は別れたって思っちゃったみたいで……」
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