形なき愛を血と称して
身長180センチのリヒルトが“見上げる”ことになる高さなれば、自然と体格も良くなる。
余分な脂肪がない肉体美。言い換えるならば、筋肉でコーティングされたような肢体は、重さ70キロのキング・シェパードを持ち上げることなど造作もない。鞄持っておでかけするぐらいの、軽い気持ちで持っているのだろう。
不思議なことはないのだが。
「その体で、その喋り方はどうかと思うよ。仮にも君、おとーー」
「アタシの肉体で昇天させちゃおうかしらー」
生に未練なくとも、その死に方だけは嫌だと、口を閉じた。