ウェディングドレスと6月の雨


「こんなにみっともなくて……悪い」


 穂積さんは顔を近付けてくる。私も顔を少し傾けて穂積さんのキスを受け入れる。触れるだけのキスから、はむキスへ。私も自分から穂積さんの唇を求めた。もっと甘いキスをねだるように穂積さんの唇をはむ。

 穂積さんは私から顔を離した。キスは突然、中断されて。もっとして欲しかったのに。


「カレー、作ろう」
「……はい」


 私は渋々、穂積さんの背中を掴んでいた手を離した。



 そのあとはカレーを作り、2人で食べた。牛乳入りのルーは辛さの中にコクと甘味があって癖になる味で。そのレシピは神辺さんから教わったのではなく、学生時代のキャンプで知ったらしく。私のやきもちは勘違いだった。

 カレーを食べ終えて20時。寝るには早い時間。2人でお皿を洗ったあとは交代でシャワーを浴びて。


 新品のパジャマに袖を通して部屋に戻ると穂積さんはクッションの上で胡座をかいてタオルで頭をガシガシと拭いていた。私は隣のクッションに座る。

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