引き立て役よさようなら(番外編追加)

素直になれなくて

リハーサルは傍から見れば順調そうに見えたけど
実際の所は
川久保と優花の仲良さそうな雰囲気に
達央は心中穏やかではなかった。
その結果、いつもより1時間早く切り上げ
達央は優花を連れて車に乗せた。

その姿を川久保が複雑な思いで見ていたとは知らずに

車の中も会話が少ない。
偶然再会した同級生と合えば会話が弾むのは仕方がない事ぐらい
達央自信十分わかっているつもりなのに
頭ではわかっていても気持ちがついていかない。
大人げない・・・
優花は悪くない。
大人げない自分が悪い。

多分あの川久保がイケメン過ぎたからだ。
一難去ってまた一難かよ。
達央の心の中の葛藤は大きなため息と比例していた。

「達央さん?」
「なに?」
きっと返事も自分が思っている以上に感情むき出しだった。
そんな達央を見て優花も気持ちが暗くなる。
「疲れてるなら私帰ります。」
「嫌だ」
「え?」
「絶対返さない」
子供じみた言い方に優花もハイと答えるしかなかった。
優花も優花で
怒っている原因が川久保との事だって分かってる。
でも優花には達央しか映ってない。
川久保は本当に単なる同級生。
それをうまく説明したいけど
説明すればする程どつぼにはまりそうなので
何も言わないようにしてた。
でもそれはそれで車内の空気がめっちゃ重かった。
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