私がお嬢様をやめる時
男は床に叩きつけられ
無残な姿になった時計を一目し



「いい加減、目覚ましで起きるのは
おやめになったらいかがですか?」



また私を見下ろす。



「破壊された目覚ましは
これで20個目でございます。
どのみちご自身で起きるのは
お嬢様には無理です。」



私は枕をかぶって耳を塞ぎ
アルマジロのように丸まって
無視をする。




しばらく沈黙が続き
私はまた夢の中へ向かおうとしたその時



!!!?



私の枕を持つ腕を
すーっと撫でる男の手。



ぞわっと襲う感覚。


そのまま手は背中を滑り………
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