エンビィ 【完】
「あなた、こんなところでのんびりしてていいの?」
あたしは気づいている。
けれど、どうなっているのか説明してほしい。
「オジョウサーンッ!」
「………」
「ワタクシのピアノ、タノシミにシテテクレタノ?ソレは、モウシワケナイ……ワタクシ、コッセツ、シチャッテテネ?」
ぶらんぶらんと、
ギブスの足を掲げると、
「キュウキョ、ダイリ、タノミマシタ」
眉を下げた。
――――そして、
「さあて、カノジョ、ダレ、デショウ?」
アイリーンは、道化師のような含みのある声色と視線で、あたしを一瞥した。
“私はこの世でただ一人のためにしか弾かないと、そう約束してるんですの”
――――そう笑った、ユキノ