ガラスの靴じゃないけれど
「望月の気持ちはわかった。でもな。二か月一緒に働いてきた一条さんを、俺はただのヘルプだと思っちゃいない。一条さんは再開発プロジェクトの仲間だ。望月?違うか?」
「...はい。その通りです」
「だからこそ、一条さんに受付を頼みたいんだ」
松本チーフと望月さんは、雑用しかできない私のことを仲間だと認めてくれた。
そのことが何よりも嬉しかった私は、鼻の奥がツンとして涙が込み上げてくるのを自覚した。
「松本チーフ。それから望月さん。ありがとうございます。私、明日の受付を頑張ります」
「ああ。よろしく頼むよ。一条さんのサポートは俺がするから安心してくれ」
松本チーフの有り難い言葉を聞いた私がホッとしたのも束の間、望月さんがすぐに口を挟む。
「当日、一番忙しいのは部長と松本チーフのはずです。一条さんのサポートは俺に任せてください」
有無を言わさない望月さんの言葉を聞いた松本チーフが一瞬、たじろいだ時。
望月さんは私に向かって、過保護すぎる注意点を早口でまくし立てた。