† of Thousand~千の定義
足元で押さえつけていながら、しかし、それ以上凌辱することはできない私。

魔術公式の一部である草薙仁は、だから笑うのだ。

彼のように。

「私はここで死ぬ。そしてお前も、どこかの『狭間』でさ迷う。終結だ!」

蔦のように走り回っていた魔法陣のラインが、私の体を魃扈し、キマイラを足元から侵食する。

同時に、分解が始まる。

「舐めた真似を……!!」

魔獣が、本格的な魔術の作用に、暴れた。

その跳躍力で、一気に私の上から飛び離れる。

アギトに、また紅蓮の眉がぶすぶすと渦を巻いた。灼熱のたてがみが、ヤツの怒りを表現するように、凄まじい勢いで翻る。

「我が人間に分解されるなど、あり得ぬ。貴様を潰すことができぬならは、この魔法陣ごと焼き払ってくれようぞ!」

獣の姿が、まるで流れ星が逆流したかのように、上空へと消えた。

そして空が――

「なっ……」

丑三つ時だというのに――

「アイツ……!?」

一気に明るくなった。

その色は、紅蓮。業火の色。

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