聖乙女(リル・ファーレ)の叙情詩~真実の詩~
「お仕置きが必要ですね」
カイが我に返って次の矢をつがえる前に、ヴァイオレットの石化光線がカイの左足を貫いていた。
「うああああっ!!」
激痛にカイは叫んだ。痛いだけではなかった。左足の膝から下が尋常でないほど重い。動かせない!
カイはそれでもなお逃げようとしたが、左足が重すぎて体の均衡を崩し、その場に転んだ。リュティアの体が投げ出される。
懐から砂時計が転がり落ちる。もう砂は三分の一しか残っていない…!
終わりだ、と思った。
カイは無我夢中でリュティアの体の上に覆いかぶさった。リュティアだけは死んでも守りたかった。石になっても守りたかった。
「あなたに美しい死を与えましょう…!」
ヴァイオレットの瞳からとどめの石化光線が放たれる…!
その時二人とヴァイオレットの間に強い風が、どっと放射状に爆発するように巻き起こった。
カイは自分がすでに石になってしまったと思っていたから、石になっても風を感じられるのかと疑問に思った。
それに痛みがあるのは左足だけだ。
カイは無意識に首をめぐらせ――
そこに光を見た。
虹色の光の壁が、カイとリュティアを石化光線から守っていた。その壁は、二人に背を向けて立つ謎の人影の、かざした左手から放たれているように見えた。
カイは何から驚いていいのかわからなかった。
―誰だ!?
―なぜ、助けてくれる!?
カイが我に返って次の矢をつがえる前に、ヴァイオレットの石化光線がカイの左足を貫いていた。
「うああああっ!!」
激痛にカイは叫んだ。痛いだけではなかった。左足の膝から下が尋常でないほど重い。動かせない!
カイはそれでもなお逃げようとしたが、左足が重すぎて体の均衡を崩し、その場に転んだ。リュティアの体が投げ出される。
懐から砂時計が転がり落ちる。もう砂は三分の一しか残っていない…!
終わりだ、と思った。
カイは無我夢中でリュティアの体の上に覆いかぶさった。リュティアだけは死んでも守りたかった。石になっても守りたかった。
「あなたに美しい死を与えましょう…!」
ヴァイオレットの瞳からとどめの石化光線が放たれる…!
その時二人とヴァイオレットの間に強い風が、どっと放射状に爆発するように巻き起こった。
カイは自分がすでに石になってしまったと思っていたから、石になっても風を感じられるのかと疑問に思った。
それに痛みがあるのは左足だけだ。
カイは無意識に首をめぐらせ――
そこに光を見た。
虹色の光の壁が、カイとリュティアを石化光線から守っていた。その壁は、二人に背を向けて立つ謎の人影の、かざした左手から放たれているように見えた。
カイは何から驚いていいのかわからなかった。
―誰だ!?
―なぜ、助けてくれる!?