泣き虫王子と哀願少女


「潤……君……」


助けに来てくれた……。



突然悪い夢から醒めたように、呆然と潤君を見上げる私。



「ごめんな、助けるのが遅くなって……」

「ううんっ……」


助けに来てくれた……。



安堵感からか、急に膝がガクガクと震え出す。



「どっかケガしてないか?」

「ううんっ……」


助けに来てくれた……!



「怖かっただろ……?」

「ううんっ……大丈……夫っ!?」



グイッ



私の言葉を聞き終わらないうちに、潤君の腕が私へと伸びてくる。


そして気が付いた時には、私は潤君の腕の中にいたのだった。

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