泣き虫王子と哀願少女
途端に私の脳裏に、潤君に抱きしめられたことが鮮明に蘇った。
思い出しただけでも心臓のバクバクが止まらない。
そんな私の異変をもちろん明里が見逃すはずがない。
案の定ニヤニヤと含み笑いしながら、私の顔を横から覗き込んできた。
「あれれ~?しっずくちゃ~ん。随分顔が赤いけど、どうしたのかな~?」
「う……」
「まさか私に話したこと以外に、水沢君と何かあったのかな~?」
「うぅ……」
私の首に明里がガシッと腕をからめ「さっさと白状しなさい」と先を促す。
観念した私は、恥ずかしさで俯きながら消え入りそうな声で呟いた。