アキと私〜茜色の約束〜
「アキと一緒に、立つんだ。頂点に」
秋人の強いアキへの想いに、胸が苦しくなる。
鼻の奥がツンとして、込み上げて来るものを必死で飲み込んだ。
暫しの沈黙。
いつの間にか、マネージャーは姿を消していて。
二人だけの静まり返った廊下は、冷房が効き過ぎているようで寒い。
「貸して」
テーピングを救急箱から取り、ビッと引っ張ると、それを膝に巻いて応急処置をした。
「茜…」
「こんなの気休めかもしれないけど」
もしもの為に、少しだけどテーピングの巻き方をネットで調べていた。
悔しいけど、私にはこれぐらいしか出来ないから…
本当は止めるべきなのかもしれない。
私は、この後ここで止めなかったことを後悔する時がくるのかもしれない。
でも、私には秋人を止めることが出来なかった。