アキと私〜茜色の約束〜
秋人と別れると、応援席に戻って息を吐いた。
まだドキドキしてる。
身体に秋人の温もりと感触が残っていて、自分が自分じゃないみたいだ。
心をコントロール出来なくて、頭の中が秋人ばかり。
いつの間に、私の中で秋人の存在がこんなにも大きくなったんだろう…
熱い自分の身体をギュッと抱き締めると、同時に「わぁっ‼︎」と会場が再び沸き始めた。
選手の再入場だ。
戻ってきた秋人と、バッチリ目が合う。
膝には、さっき私が巻いたテーピング。
気持ちの入れ替えもしっかりと出来たようで、さっきまでの負のオーラは全く感じられない。
一先ず、気持ちの面では大丈夫そうだとホッと胸を撫で下ろすと、鞄の中で携帯が震えた。
携帯を取り出し、相手を確認する。
「おじさん?」
電話の相手はアキのお父さんだった。