アキと私〜茜色の約束〜
行かなきゃ…今すぐ、アキのそばに…
私は側にいるって約束したんだから。
荷物を持って椅子から勢い良く立ち上がると、視界の端に秋人の姿が映って、動きを止めた。
まだこっちを心配そうに見てる秋人。
さっき廊下での秋人の言葉が頭を過る。
“なぁ、茜。俺のそばに…いてくれよ…ずっと”
アキと秋人。
二人は私の大事な幼馴染であり、親友であり、兄弟であり。
大切な人。
後方にある会場の扉に目をやる。
あの扉を開けて、アキの元へ行くか…
ゆっくりと秋人のいるコートを見る。
此処で秋人を応援するか…
そんなの選べるわけないのに。
コートではピピーッと審判が笛を吹くと、選手がぞろぞろとセンターサークルに向かい始める。