アキと私〜茜色の約束〜
ある日、深夜に目が覚めると、喉が渇いたのでキッチンに向かった。
『あれ?親父…?』
階段を降りると、リビングから光が漏れている事に気付く。
また酒を飲んでるんだろうか。
そろそろ親父の身体が心配だ。
そんな酒に強い方じゃないし。
リビングのドアの小窓から中を覗くと、俺はソファに座って膝に肘をついて項垂れてる親父の姿に息を飲んだ。
『泣いて、る…?』
横顔だけどわかる。
親父が涙を流し、嗚咽を漏らしているのが。
親父が泣いてる姿なんて見たことがない。
やっぱり、親父は今でも母さんを愛してるんだ。
そんなに泣くなら、なんで母さんと離婚なんてしたんだよ…
大人の事情、って一体何なんだよ…
俺は親父に声を掛けることなく、忍び足で自分の部屋に戻った。